現在、日本のNSTの原型は、2000年に欧米のそれと異なる愛知県の一中型市立病院(病床複合型:一般病床199床、療養型56床)で展開された尾鷲総合病院式(PPM:Potluck Party Method)から端を発する。これは全科型全員業務兼用参加型の他職種からなる総合運営スタイルである。欧米の多職種包括チーム医療(Interdisciplinary Team Approach)をベースに本来の米国式実践的(ベッドサイド)臨床栄養療法を導入して、NST(Nutrition Support Team)としての上記のPPMで栄養失調患者に栄養療法を提供しようとしたものである。この特有なNSTを中核に病院そのもの全ての分野/部署の改善・改革に結び付けていく方向に進展していった。しかし、この様な発展が可能であったのは、当時の日本のなかんずく中小医療機関そのもののトータル医療機能管理システムが欠如していたからと考える。